
お薬手帳は何の為?
皆さんも病気やケガで日頃お薬を服用されていると思います。ご自身のお薬手帳はお持ちですか?利用されていますか?
そもそもお薬手帳は何の為にあるのでしょうか?
一番はお薬の飲み合わせです。お薬には絶対に一緒に飲んではいけない組み合わせがあります。もし病院に二つ通っていて、そのお薬が別々の病院で出ていても、お薬手帳があれば、飲み合わせの確認ができるため、一緒に飲んではいけない組み合わせによる事故を防げます。
また、お薬の成分が同じだけど名前が違うお薬が出ている時の重複投与も防げます。なので、病院によく行かれる方は、必ず一冊持ったほうがいいです。
また、病院ごとに手帳を分ける方もおられますが、お薬手帳は全ての病院で一冊にすることができるので、複数持たれている方は一冊にまとめるようにお願いします。
災害時の重要性
2016年熊本で大規模な地震が発生しました。そういった中、私達医療従事者はあなたがどんな状態か、お薬は何を飲まれていたのか分からない状態で診療や投薬を行わなければなりません。
お薬手帳を持っていれば、現在飲んでいる薬がわかりますし、アレルギーや副作用の有無も分かります。その情報をもとに私達は飲み合わせが問題ないかなどを判断し、お薬を出すことができます。
災害時には避難所を移動し、今までの医療環境が変わる事もあります。そういったときでもお薬手帳を持つ事で安心して医療を受ける事ができるので、ぜひお薬手帳を、普段から持ち歩き、災害があっても対応できるようにされておいてください。
最後に、お薬手帳は自分を守る大切な手帳です。医療機関において重要な情報元に成りますし、まだお持ちでない方は、この機会を利用しお薬手帳を作って携帯しましょう。
「あさがお」平成26年5月号・平成28年4月・6月号から
※記事を書いた薬剤師さんは「くすりのエスエス堂」に勤務されています。