お薬の用法・用量と正しい薬の飲み方

お薬の用法・用量

お薬には決められた用法・用量があります。但しそれは健康な方が飲んだ時の用法・用量です。

高齢になるほど生理機能が落ち、お薬を解毒する機能も落ちます。体の中にお薬が留まる時間が長くなり、効果が強く出すぎたり、予期せぬ副作用が起きたりします。

お薬には肝臓で解毒されるお薬と、腎臓で解毒されるお薬があります。このうち腎臓で解毒されるお薬は、血液検査の腎臓の項目と、身長、体重がわかれば適切な用法・用量が設定できます。

例えばタミフルというインフルエンザのお薬は腎臓の機能の低下に応じて投与量が変わります。腎臓の機能が低下しているのにそのままの用法・用量で飲むと大変危険です。

自分の飲んでいるお薬が腎臓で解毒されるお薬なのか、また腎臓の機能に応じた用法・用量なのか気になる方は是非、お近くの薬剤師までご相談ください♪

お薬の飲み方

薬局でお薬をお渡しする時に「薬をすぐ飲みたい」と、水なしで飲もうとされる光景を目にします。水なしで薬を飲むと、薬が喉や食道にひっかかり、そこで溶け出して食道炎や潰瘍を起こす事があります。特にカプセルは粘膜に貼りつきやすいのでより注意が必要です。

また、水の量が少ないと薬の吸収が低下したり、遅く成ったりして、効き目が悪くなることがあります。

水以外の飲み物(お茶、ジュース、アルコール類)で薬を飲むと、飲み物に含まれる成分との相互作用で薬が効かなくなったり、逆に効き目が強く成り過ぎて副作用が出やすくなったりする事があります。

飲み薬は必ず「コップ一杯」の水か、ぬるま湯で服用しましょう。

また、寝ながら薬を飲むのは、喉にひっかかりやすいため、水なしで飲むのと同じく食道炎や潰瘍を起こしやすくなります。薬を飲んだ後30分は横にならないようにしましょう。水なしで飲める「口腔内崩壊錠」の場合は十分唾液をだし、口腔内を湿らして服用して下さい。

「あさがお」28年5月号・元年11月号から

※記事を書いた薬剤師さんは「くすりのエスエス堂」に勤務されています。