入浴の注意点と皮膚トラブルにおすすめ入浴法
  • 入浴時の注意点
  • 皮膚のトラブルにおすすめの入浴法
  • 1番風呂に注意!3つの原因と対策

入浴時の注意点

日本人は風呂の好きな国民と言われています。それに熱めのお湯を好む方が多いようです。

入浴時、特に寒い季節には血圧の変化による事故が多く、脱衣場や浴室の寒さ、四十二度以上の湯船に入った場合などが考えられます。

冷えた体で熱いお湯に入浴すると温度差が大きく、特に高齢者では上の血圧が平均三十mmHg位上昇するようです。さらに入浴を続けると、体が温まるにつれ血管が広がり心臓の拍動や呼吸が速くなり、約5分後には今度は徐々に血圧が下がってきます。

血圧が下がると目眩を起こしたり、大量に汗をかくため血液中の水分が減って血液粘度が増し、血管が詰まりやすくなります。

お風呂の蓋を取り浴室を温めておく、湯温はやや低め(四十度以下)にする、半身浴でゆっくりと身体を暖めるなどの対策が大事です。よいお風呂ライフを!

・1番風呂に注意!3つの原因と対策

みなさん、一番風呂は体に良くない・・・という話を聞いたことがありますか?一番風呂は清潔だし、適温だし、なぜ?って思われがちですが3つの原因があります。

まず、寒くなる時期に注意してほしいのが「温度差」です。1番風呂とは最初に浴室に入ります、冷えた浴室に熱い浴槽、この温度差が血圧を急変させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす事があります。

次に「お湯がきれいすぎる」からです。一番風呂のお湯は不純物がほとんど入ってなく、お湯の熱を直接肌に伝えてしまいピリピリした感じを皮膚に与えてしまいます。

最後に「塩素」です。水道水には殺菌の為に塩素が入っていますが、これがお肌のビタミンやミネラルを奪って乾燥肌になりやすいといわれています。

これらの対策として、事前に浴室・脱衣所を暖めたり(温度差)、入浴剤を入れたり(不純物)、柑橘類の皮(ビタミンC)を入れたりしてみてはいかがでしょうか。

皮膚のトラブルにおすすめの入浴法

ご覧になられている皆様の中にはアトピーを始め、様々な皮膚疾患に悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。

今回は驚きの入浴法をご紹介したいと思います。その入浴法とは、『湯船に十分以上つかるだけ!』

 石鹸やボディーソープで体を洗わないので、汚れや体臭が落ちていないのではとお考えの方もいらっしゃるでしょうが、実はお湯につかるだけで、約八割の汚れは落ちるそうです。

皮膚の表面には十種類くらいの常在菌がいて、それが皮膚を守るバリアの役割をしています。石鹸で洗う事で、約九割の常在菌が取れ、皮膚のバリアがはがれてしまいます。その常在菌が元に戻るまでに十二時間かかると言われています。

この入浴法、実は、タモリさんも長年続けられているそうです。皮膚のトラブルで悩まれている方は、一度試されてみてはいかがでしょうか?

「あさがお」25年12月号・27年5月号・29年1月号から

※記事を書いた薬剤師さんは「くすりのエスエス堂」に勤務されています。