坐薬(ざやく)の注意点

今回は「坐薬」についてのお話です。腰などの痛みがひどい時や、お子さんの熱を和らげる時などに解熱鎮痛用坐薬が使われますが、薬局から「冷蔵庫に保管して下さい」と説明されます、どうしてでしょうか?

坐薬は体温で溶けるように製剤化されています。一度溶けた坐薬を再度冷やして固めても有効成分が安定化して十分な効果を発揮出来ない可能性があるからです。

大人の痛み止め坐薬の場合、通常1日2個までなので、それでも痛む時には受診されることをお勧めします。

また、吐き気がひどい時処方される吐き気止めの坐薬は、温度ではなく、腸内の分泌物によって成分が溶け出すので効果が出るまでに少し時間がかかります。

熱性痙攣のお子様に用いる坐薬は成分が油に溶けやすい性質で、痛み止め坐薬を同時に使うと油脂性基剤に痙攣止めの成分が溶け込んでしまい効果が現れなくなる恐れがあります。熱性痙攣は熱が上がる時に起こり易いので37.5℃を超えてまだ熱が上がりそうな時は早く使って下さい。

坐薬は用法、用量や使用上の注意をよく読んで正しく使って下さい。

「あさがお」令和元年9月号から 

※記事を書いた薬剤師さんは「くすりのエスエス堂」に勤務されています。