次世代の通信インフラとなるのか?【NTT、NECと業務提携】

こんにちは、熊日の小出です。今回はNTTとNECが提携したことについてまとめました。6月26日付けの熊日、日経から抜粋しています。

◎NTTとNECは25日、第5世代(5G)移動通信システムなどの技術開発で資本業務を提携すると発表しました。NTTが約644億円をNECに出資し、海外勢が優勢な5G分野で競争力の高い製品を開発し、世界に対抗したい考えです。

644億円の詳しい使い道は?

新型コロナウイルス収束後の世界で、デジタル化が急速に進むと見込み、NECは資金全額を2030年ごろまでに次世代の技術開発に充てる。

5G基地局で使われる利便性の高い通信機器の開発に取り組むとともに、両社の技術を合わせて、5Gの次世代規格「6G」の超高速無線、海底ケーブル、宇宙空間など、最先端の通信基盤を共同開発するようです。

NECの新野隆社長は「30年に基地局の世界シェア20%をとりたい」と抱負を語りました。

背景には米中対立構造

提携の背景にあるのは通信ネットワークをめぐる世界の覇権争いがあります。

米国では中国勢などに通信機器を通じて機密情報などを抜きとられる事を警戒しています。米ポンぺオ国務長官は「世界中の市民が中国共産党の監視国家の危険性に目覚めつつある」と指摘しています。

当初ファーウェイ(携帯基地局のシェア世界一)を排除する意向を示していなかった、英国やカナダも方針を転換。日本で同社の機器を次世代通信規格の「5G」の基地局に採用する通信会社はありません。

ただ、年間2兆円規模の研究開発費を使うファーウェイなどへ対抗する軸を作らないと通信整備を海外に頼らなくてはいけません。

経済産業省幹部は「国内の機器メーカーを世界で戦えるようにするのが主眼だった」と話す。政府も5G整備をめぐり、情報漏洩への安全性などの要件を満たす通信機器を税制で優遇し国産活用を促します。

シェア世界20%を獲得するための戦略は?

世界の携帯基地局の売上高で首位ファーウェイなど上位3強は約8割のシェアを握り、6位のNECはわずか0.7%で、残念ながら世界から相手にされていません。

ただ、最先端の通信基盤はスマート工場や自動運転などあらゆる新産業の土台になり、今後さらに市場が拡大します。

新型コロナウイルスで在宅勤務などの遠隔作業が増え、安全な通信網は新状態(ニューノーマル)も支える事になり、資本提携によって日本企業がシェアを奪えるきっかけとなる事が期待されます。

肝は「通信網オープン化」と「光技術」

世界での普及に向けた課題はコスト競争力だ。ファーウェイは他の大手製品より2~3割安いとされ新興国で広がる。

NTTグループが旗振り役となり100社超で取り組む「オープン化」がカギを握る。

1社がまとめて機器を納入する垂直統合型が主流だが、複数メーカーでネットワークを作り、コストを抑える。

この仕組みで市場を開拓し、「2030年に世界シェア20%」を目指す考えです。

海外で本格的に売り込むには技術者の身分を担保する制度が必要との声もあり、政府も後押しする。

米欧では情報漏洩の恐れがないとして認められた人しか機密性の高い情報を閲覧できなくする

「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」制度が先行。専門家は「5Gのような技術を扱う民間エンジニアもこの資格を求められる例が多い」語る。

経済官庁幹部は「法律に基づく制度整備が急務だ」と話す。

NTTが懸けるのは、あらゆる分野に光技術を取り込む「IOWN(アイオン)」構想だ。30年までに既存の約100倍のデータ伝送容量を持つ通信網の実用化を目指しています。

NTTは1985年に民営化し、日本電信電話公社から社名を変更した。大量に調達する通信機器をNECや富士通といったメーカーが独占して納入し、安定業績を確保する構図は「電電ファミリー」と呼ばれた。

米政府の圧力もあり、米IT(情報技術)企業にも門戸を開いたが、その結果、国内機器メーカーは価格や性能でかなわず存在感がなくなった。

NTT自体も、事業や地域で分割・民営化され、海外に積極展開する環境や体質にならなかった。外交や政治に大きく影響を受けたこともあり、国際競争力を持ちえなかったNTTと、長男格だったNECの資本提携という形で復活した電電ファミリー。その裏には米中対立や、安全な通信網の幅広い普及で出遅れた官民の焦りも伺えます。

米、ファーウェイ包囲網

次世代通信規格「5G」を巡り、トランプ米政権は中国の通信機器大手ファーウェイへの包囲網を強化しています。

ポンぺオ国務長官は24日の声明で同社の製品を使わない「クリーンな通信会社」に日本のNTTも挙げるなど、同盟国に排除を改めてよびかけています。

「ファーウェイに対する潮目は変わりつつある」。ポンぺオ氏は声明で世界各国で取引しない通信会社が増えていると強調。

具体例としてNTTのほか、フランスのオレンジ、韓国のSKテレコムなど7社を並べた。カナダの通信大手3社がスウェーデンのエリクソンなど中国以外の通信機器メーカーと提携したことも評価しています。

米政府が挙げた「クリーンな通信会社」
NTT(日本)
O2(イギリス)
オレンジ(フランス)
テルストラ(豪州)
SKテレコム、KT(韓国)
ジオ(インド)
「軍事企業」認定した主な中国企業
ファーウェイ(通信機器)
中国移動、中国通信(通信会社)
ハイクビジョン(監視カメラ)

米政府は、民間企業の連携も後押しする。5月に発足した「オープンRAN政策連合」には通信大手AT&Tや半導体大手クアルコムなど米企業のほか、NTTや楽天、NEC、富士通といった日本勢も参加する。

同連合は基地局などの通信網をメーカー1社にそろえるのではなく、多様な企業から調達可能にする取り組みだ。中国勢を一切いれず日米企業などで囲い込む戦略で、ホワイトハウスの米国家経済会議(NEC)が業界とすり合わせています。

米政府はすでにファーウェイなどの企業を中国共産党による「軍事融合」戦略の担い手と主張し、禁輸措置や通信事業免許取り消しに動いてきた。5G覇権を巡る米中の攻防が激しくなる中、日本も引き続き対応を求められています。

まとめ

資本提携によってチャンスを生かせるか

2社の目的は通信の世界シェアをとることですが、すでに大幅な遅れをとっており、挽回するのは簡単ではないでしょう。技術を融合し世界に評価されるビジネスにしてもらいたいですね。

このままだと5G時代は海外企業のいいなりになりかねないので頑張ってもらいたいですね。

米が排除しようとしているファーウェイは携帯機器メーカーとしても、アップル社のiPhoneを抜きシェアは世界一です。アフリカや東南アジアにもバンバンシェアを拡大しています。日本の会社も部品などを輸出しており、米のような批判はできないでしょう。トランプ氏の中国批判も自身の政策の批判をそらす狙いもあり、大統領選につなげたいのでしょう。

どちらにしろNTTとNECには米中の対立に左右されない強固な通信基盤を構築することを期待しています。