ワクチン賠償 国が責任

▽8/20日経から

政府は新型コロナウイルスのワクチンを使って健康被害が生じた場合、製薬会社の代わりに賠償する方針だ。ワクチンは各国間の獲得競争が激化しているため、海外メーカーが日本に供給しやすくする。次の国会に新法を提出して早期成立を目指す。ワクチンは早く接種できるほど感染者や死者を抑えられるため、各国は実用化が不透明な段階で製薬会社と供給契約を結ぶ。

ワクチンをめぐる日本政府の動き

日本政府は米ファイザー、英アストラゼネカそれぞれ1億2千回分の供給を受けると合意しています。とはいえ各社は各国と契約を結んでおり、日本への供給が後回しになる可能性もあります。

塩野義製薬など国内勢も開発中ですが実用化は海外勢より遅く、量も少ないようです。来年の夏には東京五輪・パラリンピックがあり、政府はさらに海外からワクチン調達を増やす考えです。

政府は現在、海外の3~5社と弁護士を交えて交渉しています。海外の製薬会社は「ワクチンの副作用による健康被害で損害賠償を求められたら対応できない。国が肩代わりしてほしい」と求めています。

日経朝刊 2020.8.20

問題点は?

ワクチンは人種によって有効性や安全性が変わる場合があります。米欧で十分な数の臨床試験を行い効果が判明したワクチンでも日本人には予想外の副作用が発生する可能性もあります。

ワクチンは一般的に実用化まで5年~10年以上かかるとされていますが、新型コロナのワクチンは1年前後の実用化を目指しています(上図参照)。製薬会社には異例の短期間で開発を生じるリスクも出てきます。

また、WHOや米食品医薬品局(FDA)は現状をパンデミック(世界的大流行)と判断し、通常とは異なるワクチンの開発を認めています。普通はワクチンの有効性を判断する指標のうち8割以上を満たすことが条件となっています。しかし今回は、「50%以上」と緩和しており、臨床試験を数カ月しか見込まない例もあります。

ワクチンとは?感染症を予防するため、生物が持つ免疫システムを活用した医薬品のこと。あらかじめ病原性を弱めたり、毒性がなくなったりしたウイルスや細菌を体内に投与することで、病原体への抵抗力をつける仕組み。ワクチンを接種すれば感染症にかかりにくくなる効果がある。

●高齢者、医師ら優先接種(8/22熊日)

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は21日、高齢者や持病のある人、診療にあたる医療従事者を優先してワクチンを接種すべきだとの提言をまとめた。死者や重症者を減らし、医療崩壊を防ぐために、リスクが高い人や医療従事者を優先する方針。