新聞で読解力をつけよう♪

読解力と年収は比例する?

先日「フォーブスJAPAN」という雑誌を何気なく見ていたら、ある記事が目に留まりました。それは「米国人の読解力不足、年間230兆円の経済損失に」という記事でした。

記事によると、【米国成人の読解力(リテラシー)不足は、年間2兆2000億ドル(約230兆円)の経済損失につながっている可能性があるとした調査結果が、調査会社ギャラップにより発表されました。米教育省によると、16~74歳の米成人1億3000万人のうち、読解力が小学校6年生以下のレベル(下記の読解力レベル1と2に該当)にある人は54%とされる】 

さらに、読解力のレベルを3段階に分けて調査。レベル1以下の人は簡単なフォームに記入する以上の文章を理解できず、文章に書かれた内容を推測する事が難しい。

レベル2は、製品のレビューを理解したり、比較や単純な推定を必要とするタスクをこなしたりするのに十分な読解力を有するが、書かれた内容の信憑性を正確に判断したり、高度な推定をしたりするのが難しい。

レベル3以上は読解力に問題なしとされ、情報源の信憑性を評価したり、文章から複雑な意味や考えを推定したりできる。                                    
年収別に統計をとってみた結果は、読解力がレベル1以下の年収が平均で360万、レベル2で500万円、読解力に問題なしとされるレベル3ではなんと660万円とレベル1以下と220万円の差があることが判明しました。                

つまり、米国人は読解力が低いと年収が低くなりますよという事です。 

一方、日本はどうかというと世界の読解力ランキングでは現在15位となっており、調査した米国の13位より低い結果となってます。12年には4位でしたが、わずか8年で10ランク以上もダウンしています。代わりに中国やシンガポールなどのアジア勢が台頭しています。     

先進国の中で日本は「読解力が低い国」という位置づけになってしまったわけです。

  

危機感を持った文科省は入試制度を改革!

このままだと世界から置いていかれるヤバいな、と考えた文部科学省は今年度から入試制度を大幅に改革しました。現在の大学入試センター試験が廃止され、新しいテストが導入されます。ざっくりいうと、今までの知識の暗記・記憶ではなく、「思考・判断・表現力」に重点が置かれ、従来の「選択式」から「記述式」への移行が進んでいます。

文科省のHPでは「表現力や読解力を高めるためには新聞の活用が有効」とされ、試験対策だけでなく、実生活、実社会で生きる上でもみなさんが読んでいる「新聞」はとても有効と考えられています。

読解力を高めるにはどうすればいいの?

簡単な方法は「新聞を毎日読む」ことです。具体的には、「見出し」と「リード文(見出しの横にある数行の文章)」を読む事です。そしてより詳しく知りたいな・・って時には本文まで読めばいいですし、私もそうしています。      

なぜ新聞なのでしょうか?それは新聞の最大の武器である「一覧性」にあると思います。新聞はパッと広げると大量の情報が目に入ります。その中には「興味はないけど知っておくべき情報」があり、世の中の情報を知るためのツールとしてはとても有効です。そして情報を知る癖がつき自然と様々事に興味を持てるようになります。さらに慣れてくると記事を見て「自分ならこう考える」「この記事はこういう事を言っている」と勝手に考えるようになり、

「思考力・判断力・表現力」が自然と磨かれるわけです。  

読解力テストをやってみよう♪

自分の読解力がどのくらいなのか、実力を知ることができることが読解力向上の第一歩です。まずはあなたの読解力をテスト!みなさんは下の読解力の問題(リーディングスキルテスト)をどのくらいの時間で解けますか?

参考:「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」 新井紀子著 東洋経済新報社

【読解力問題 問1】

以下の文を読みなさい。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexandraの愛称は(  )である。

  1. Alex
  2. Alexander
  3. 男性
  4. 女性 

【読解力問題 問2】

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(  )と形が違う。

  1. アミラーゼ
  2. デンプン
  3. グルコース
  4. 酵素

【読解力問題 問3】

次に示された発電量の内訳の比率を表したグラフをもとに考えたとき、文の内容は正しいか正しくないかを答えなさい。

石炭と石油の発電量を合わせても、天然ガスの発電量以下である

  1. 正しい
  2. 正しくない     

※解答 問① 1.Alex  問② 2.デンプン 問③ 2.正しくない

まとめ 

読解力と年収が比例しているという事は逆に読解力を高めるとより「社会から必要とされる人材」になれるという事でもあります。

私は新聞販売業を営んでいますが、最近は「ネットで情報は十分」という方が多いように感じますし、そういった声を多く耳にします。しかし、本当にそうなのでしょうか?

まず、ネットの記事はAIの発達によって「読者が見たいと思う記事が配信される仕組み」となっています。そうすると、自分の興味・関心がある事を中心に見るようになり情報に偏りが生まれます。

しかも、SNSの急速な普及により「誰でも、なんでも情報が発信できる」媒体となっているため、情報の質にバラつきが生まれています。

もちろん、情報のスピードなどネットのメリットは数多くありますが、「ネットの情報だけでいい」というのはメリットとデメリットの両方があると個人的には感じています。