日本の会社はなぜ潰れにくいのか?

引用:週刊東洋経済 10/31号 「経済を見る眼」

お世話になります。熊日の小出です。今回は日本の会社はなぜ潰れにくいのか?について、先日拝見した雑誌「週刊東洋経済10/31号」を参考にして記事を書きました。

日本と諸外国の廃業率の違い

コロナの影響で多くの中小企業が存続の危機にあります。OECD(経済協力開発機構)の調査では、日本の中小企業(500人以下)における休廃業率は、5月時点で10%に達しています。

しかし、世界50か国の平均は26%なので他国よりは低い数字です。例えば、イギリスでは43%、シンガポールは31%となっています。

日本は長寿企業の数が世界一

日本は世界で最も長寿企業が多いことでよく知られています。日経BPコンサルティングの調査では創業100年以上の日本企業は3.3万社を超え、世界最多。

200年を超える世界の企業のうち、65%が日本(1340社)に集中し、2位の米国(238社)を大きく引き離しています。

背景には多額の内部留保と日本型経営

休廃業率の低さや長寿企業が多い背景には、多額の内部留保と日本型経営が背景にあると考えれられます。

日本企業の利益余剰金(内部留保)は現在500兆円まで積み上がっています。

しかし、内部留保が多いという事は会社の資金が豊富にあるという事ですから、コロナによって売上げが下がった企業は資金で補填する事ができある程度は倒産を遅らせることができました。

また、組織的市場も日本企業がつぶれにくい要因の一つに挙げられています。企業間の取引きが単に売り手と買い手の短期的な損得だけで決めるものではなく、「組織同士の長期的な関係」を重視する傾向があります。

会社は利益だけを考えず、窮地にある取引先があればそれなりの配慮をし助けます。つまり会社同士が支え合い企業を存続させてきたのです。

まとめると日本企業はお金に余裕がある事でコロナショックを切り抜け、企業も存続させようとする支え合い精神によって長寿企業が多いという事です。

批判されてきた日本企業

内部留保の多さや、会社を存続させる支え合い精神は従来は批判されてきました。

なぜなら、内部留保が多いという事は会社が投資をしないという側面もあります。本来であれば、会社は利益をためるのではなく、別の事業等に投資をすることで会社を大きくします。また、何かに投資をする(例えば機械の購入)事は他の会社(機械メーカー)の儲けにもつながるので「金ばっかりためてないで使え」と言われてきました。

投資をしない背景には日本の市場規模が縮小傾向にある事も要因です。今後の人口減によって物を買う人が減るので新しい事業に投資する事を抑えているのだと思います。また最近は地震や台風なども多くそういった場合にできるだけお金をのこしておきたいという心理が働いているのではないでしょうか。

また、企業同士の支え合いによって廃業が少ないという事は起業も少ないという事です(起業率と廃業率は統計上相関関係がある)。利益を高めることが企業の存在理由ならば、ダイナミックで新陳代謝(企業の入替え)が高い方がいいので、時代を先取りした企業がどんどん生まれ、合わなくなれば撤退するという循環が起きにくくなっています。

まとめ

コロナ禍によって、世界が大きな打撃を受ける中、お金を使わず、助けあい精神の日本企業は比較的生き残っています。日本企業は時代遅れの経営と批判される場合が多かったわけですが再評価がされるのではないでしょうか。

しかし、これは時代の流れでたまたまそうなったわけで、基本的に会社は投資をして新たな価値を提供して利益を出す事を考えるべきだと私は思いますし、実際私もそのような考えで経営を行っています。

もちろん、利益をある程度残し投資のタイミングを計る事も重要だと思います。

今後は日本型の安定思考と革新的思考のどちらもできるような会社を目指したいと考えさせる記事でした。