「核のごみ最終処分場」

引用:熊日2020.11.7 朝刊「くまTOMO」

北海道2町村初の調査

原子力発電所から出る「核のごみ」を最終的に処分する場所を選ぶ調査を、北海道寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)が受け入れることになりました。

寿都町HP 

神恵内村HP

11月中旬にも始まる予定で、実施されれば2000年に処分についての法律が定められてからはじめてです。国は処分場建設に向けた第一歩にしたい考えです。

危険な核のごみ

核のごみは、原発で使った核燃料からもう一度利用できる物質を取り出した後に残る液体を、ガラスとまぜて固めたもので、金属の容器に入れます。正式には「高レベル放射性廃棄物」といい、危険な放射線を長い間出し続けるため、国は地下300㍍より深い岩盤に閉じ込める計画です。

処分場決定までは20年かかる

処分場を決めるには、その場所が本当に安全かどうかを確かめるため、3段階に分けて約20年かけて調べます。2町村が受け入れるのは資料を使って調べる第一段階の「文献調査」です。

第2、第3段階になると穴を掘ったり、実際に施設を造ったりして調べます。

文献調査を受け入れると国から最大20億円のお金がもらえます。2町村では国などが説明会で住民に理解してもらえるよう取り組んできましたが、安全性やイメージが悪化するといった不安で、住民には反対の声も根強いです。1、2か月程度で受け入れを決めたことに「早すぎたのでは」との批判も出ています。

国は文献調査から次の調査に移る際、知事や市町村長が反対なら先に進まないとしています。北海道の鈴木直道知事は「次の調査に進むときは反対する」と話しており、第2段階の調査に入れるかや処分する場所が決まるかどうかはわかりません。

日本は長い間原発を使ってきたため、今後も多くの核のごみが出ると考えられ、難しい課題になっています。

受入れの背景に人口減少や漁業不振

北海道寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)が「核のごみ」を処分場に関する調査を受け入れることを決めた背景には、人口が減り、お金も不足して財政が厳しくなっていくことへの不安がありました。

町や村の将来につながる政策を実行するため、国からもらえる最大20億円のお金を生かそうとしています。

「いろいろやったが実を結ばなかった」。神恵内村の高橋昌幸村長はこう話しました。村の人口は800人で、65歳以上のお年寄りは4割を超えます。産業を盛んにしようとカップ麺の開発などに取り組みましたがうまくいかず、調査を受け入れることにしました。

寿都町は人口が少なくなっているだけでなく、新型コロナウイルスの影響で主要産業の漁業が打撃を受けました。片岡春雄町長は、国からもらえるお金について「次につながる使い道を考えている」と話しています。

11/18熊日朝刊 核ごみ調査開始

原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、経済産業省は17日、北海道の北海道寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)での文献調査の実施に向けた原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業計画変更を許可した。機構は同日から調査を開始したと明らかにした。

調査期間は約2年で、両町村にはそれぞれ最大20億円が交付される。文献調査が実施されるのは全国ではじめて。しかし地元では選定手続きを進めることへの不安や反対もあり、処分建設まで至るかどうかは見通せない。