新聞販売店の経営について

 新聞販売店はどのように経営しているのか解説します。簡単に説明すると、みなさんがお支払いしている新聞の購読料とチラシの折込料金の2つが新聞販売店の売上収入となっています。その中から本社に新聞原価分を納金した残りが実際の販売店の収入となります。収入割合でいうと新聞代が8割、チラシの折込料金が2割程度となっています。

収入比率 新聞 8:チラシ 2

新聞販売店の経営危機

 新聞販売店は長年、上記のような購読料と折込料のみで経営を行ってきました。当販売店も2005年ごろには売上が1億円程度ありました。しかし、2019年は約6千万円と15年前にくらべ40%も減少しています。お客様の数も2100➡1400と35%減少しています。

主な収入源である折込料もインターネット広告の台頭で15年前と比べ半分以下となっています。特に昨年はコロナの影響でチラシを出す企業が減少し、折込料も1300万(2019)➡900万(2020)と30%も減少し経営的に大変厳しい結果となりました。

 おそらくほとんどの新聞販売店はこのような状況ではないのでしょうか。昨年は助成金や本社の補助でなんとかしのいできた販売店も1月の緊急事態宣言でどうなるかはわかりませんが、過酷な1年になりそうです。幸いお客様の数は今年度は横ばいとなっていますが、折込料は2019年比で7割~8割程度でしばらくは推移するのではと思っています。

新聞販売店の今後は厳しい

 新聞販売店の今後についてですが、購読者の減少は止まらないと思います。購読者が減るとチラシを出す企業も、多数の人に宣伝できないため折込収入も減少する事が予想されます。

本社の経営も厳しい

新聞購読者や折込料が減ると当然本社も経営が厳しくなってきます。朝日新聞も今年は大きな赤字となっています。

「朝日新聞社、コロナ影響で9年ぶり赤字 9月中間決算」

こうなってくると、販売店にしわ寄せがくる可能性もあり、より経営が厳しくなることが予想できます。

生き残りへの道:新聞販売店の合併

 ここまで厳しい状況を解説しましたが、生き残る道はあると思います。その一つが新聞販売店の合併です。私のエリアは当販売店の他に全国紙が2店があります。仮に販売店が合併すると一時的にはお客様が増えて、増収、増益となります。なぜなら客数が増えると新聞代だけでなく、チラシの折込料も増えるからです。チラシは、新聞と一緒に配るためほとんどコストがかからないので純粋な利益につながりやすいです。

 しかし、新聞販売店の合併は短期的には売上UPになりますが、新規顧客の減少に歯止めがかからない以上は売上減少のタイミングを遅らせるだけなのでビジネスモデル的に限界があるのではと感じています。

生き残りへの道:新聞代の値上げ

折込料に依存したビジネスモデル

 生き残りへの道のもう一つが、「新聞代の値上げ」です。昨年は折込料の収入が大きく減少し、新聞販売店がいかに折込料に依存したビジネスモデルかという事が判明した年でもありました。

これを根本的に解決するには「新聞代の値上げ」しかないのではと思います。昨年の当販売店のチラシの収入は1部当たり1カ月で約600円となります。これを新聞代にプラスすると1カ月で4000円の価格となります。こうすることでチラシ依存のビジネスモデルの脱却につながり、販売店経営の安定化につながると思います。

もちろん、値上げをすると購読をやめるお客さんも出てくるとは思います。熊日も2020年の12月から3093円→3400円に値上げをしましが、値上げが原因の止めは全体の1%程度のとどまりました。なので、仮に600円の値上げをしたとしても数%程度の減少で済む事が予想できます。

 現在、年に3~5%づつ購読者が減っている現状をふまえると購読者減少を前倒しにしてでも、しっかりとした経営基盤を作るべきではないでしょうか。

もちろん、ただ値上げするだけでなく紙面コンテンツの充実や独自色を出し、新聞を購読する価値をお客様に提供し続ける事ががより大切にはなってくると思います。

人手不足解消にもつながる

 もう一つのメリットは人手不足の解消です。新聞販売店は配達人不足に悩んでいる店も多いです。その一つが賃金が低いという事が考えられます。値上げ分を賃金に上乗せできればおのずと人材確保につながるのではないでしょうか。

まとめ

まとめると、新聞販売店は購読料と折込収入の2つで長年経営していましたが、ビジネスモデル的に限界が近いという事です。販売店の合併や購読料の値上げを行う事で一時的には新聞販売店の経営も安定するかもしれません。

副業も視野に入れるべき

 しかし、長期的に見ると何かしらの副業も視野に入れる必要があると思います。新聞販売店は長年、同じ地域で商売を行っているところが多いです。地域密着の経営を行ってきた中で地元の企業に貢献する事業なんかを展開する必要があると思います。具体的には配達網や折込を生かした地元企業の販促や商品の配達なんかが考えられると思います。

 新聞販売店は地域とのつながりを大切にするべきだと思いますし、今後はさらに強化する事が重要になってくると思います。その中でビジネスのきっかけを見つけて、展開していく事が新聞販売店の継続につながるのではと考えます。