病床豊富な日本 なぜ医療崩壊?

引用:熊日1/14朝刊 東洋経済オンライン

欧米に比べて新型コロナの患者が少なく、病床豊富な日本で、医療体制の逼迫が深刻化しています。日本は病床数は人口当たりで世界一で、医者の数や看護師の数も世界トップクラスなのになぜ医療崩壊が深刻化しつつあるのか様々なデータをもとに検証してみましょう。

欧米諸国との違い

  • 陽性者数
  • 新型コロナ患者による病床占有率
  • 人口当たりの医師、ベット数
  • 入院率
引用:東洋経済オンライン

まず各国の人口当たりの累計陽性者数でみると、日本はアメリカの30分の1、イギリス・フランスと比べると20分の1となっています。多くの報道がある通り欧米諸国では桁違いの流行が起こっています。

その国の全部の病院のベッド数に対する直近のコロナ入院の割合をみると、

アメリカやイギリスは病院のベットの14~16%程度がコロナによって埋められてますが、日本の病床に対する占有率はわずか0.7%です。コロナによって日本の医療に与えている影響は、欧米よりもずっと小さい事が分かります。

引用:東洋経済オンライン

ベットの数も医者の数も世界トップクラス

「欧米諸国は医療提供体制の余裕が大きいのでは?」と考えられる方もいるかもしれませんが、下の図を見ると、人口当たりの病院のベットの数と医師数は世界トップクラスとなっており日本の医療体制は充実している事がわかります。

引用:東洋経済オンライン

日本は入院率が桁違いに高い

次に新型コロナの陽性者の入院率を見てみましょう。下の図でみると日本の入院率が著しく高い事が分かります。

欧米では、検査で陽性とされても、症状がなかったり軽かったりして治療が必要ないと判断されれば、隔離を目的とした入院は行われず、自己隔離が基本となっています。

一方、日本の入院隔離の枠組みは、感染症法に基づいた隔離がスムーズに行わるため、その結果入院率が高くなっています。入院率が高いという事は陽性者が外に出ないともとれるので欧米と比較し市中感染のコントロールが有利に働いた可能性があると考えられます。

引用:東洋経済オンライン

コロナ病床確保が進まない原因

では、なぜ日本は病床確保が進まないのかというとコロナ患者を受け入れる病院が少ないという事になります。受入れ可能な病院は公立・公的病院は70~80%ですが、民間病院は18%と大きな開きがあります。

民間病院では、コロナ患者を受け入れると風評被害で他の患者の受診控えが広がり、病院経営の悪化に直結するという警戒感が強く、赤字になっても国や自治体の支援も民間病院は期待しにくいという面もあります。

ただ、病床逼迫地域においては1床あけるごとに(診療報酬とは別に)750万から最大1950万円の補助金がつくことになり、感染対策の支援も手厚く出されています。

今後は、病院の特性を生かした役割分担や、人工呼吸器が不要になった患者を受け入れるなどの対策が必要となってくるかもしれませんが、政府の「要請」に従うかどうかの判断は結局は医療機関次第という状況です。

菅首相は記者会見で「国民皆保険を続ける中で、今のままでいいのか、もう一度検証する必要がある」と発言し、必要であれば医療法を見直す考えも示しています。